「殺陣」って、何だと思いますか?

殺陣とはなどを使った、時代劇などで行う“ 立ち回り”。

まぁ、大体こんな所でしょう。


俺は、「殺陣=演技」と思うんです。殺陣も演技の一つだと思うんです。
映画とか他の演劇を観ていると、様々なアクションやっていますよね。
ジャッキー・チェンとかは、実際に当ててアクションをしています。
地元の某劇団でも、一部いますね。お腹に雑誌仕込んで、殴られた痛みを緩和させるとかしています。


でも、俺から言わせれば「あれは、殺陣じゃない」と思うんです。

例えば、お腹を殴るシーンがあったとする。
アクションなら、ここで直接お腹を殴らせてリアクションを取らせるだろう。
でも、それって極論言えば「誰でも出来る」と思うんですよ。
「殴られました」「当たりました」「痛いです」「リアクションしました」・・・・・
これを実際に当ててアクションをしたなら、誰でも出来る。普通に、そのままやればいい訳だから。

でも、それじゃあつまらないと思いませんか?
誰でも出来るような事をやって、満足でですか?

実際には殴られてないのに、いかにも殴られたかの様なリアクションが出来る・・・・。

それが、殺陣の醍醐味だと思うんです。
それが、刀の演技だと思うんです。



後、殺陣は安全第一ではないといけません。

前に書いた「直接打撃性殺陣」(今、名付けました)は、リアリティの有るアクションが出来る代償として怪我をしやすいと思います。
私達は、プロでは有りません。
そのほとんどが普通の職を持っていて、その合間を縫って練習に励んでいます。
その合間の練習で怪我をし、日常の職に影響を及ぼすのは本末転倒です。
ですから、安全な殺陣を心がける為に「非直接打撃性殺陣」を志したいと思います。



「嘘八百のリアリティ」という言葉があります。
これは、以前某アニメ誌に某氏が発言していた言葉です。
これは芝居全般に言える事で、もちろん殺陣にも共通して言える事です。

例えば・・・宇宙を舞台にしたアニメ(実写含む)で、爆発が起きたとします。
本来なら、宇宙には空気が無い為に、爆発音は聞こえません。が、映像化すると必ず「ドカーン!」とか聞こえますよね。
もし、それをリアルさを求めて、音をしないようにしたらどうでしょうか?
全く、迫力がなく盛り上がらないと思います。

物語を造る上で、リアルを追求する事はとても大事です。
リアルを追求する事で、本来である筈の物語に現実味が出てくるのです。
が、必ずしも全てリアルにする事が物語を現実に有る様にする事にはなりません。
上記がいい例です。

殺陣に置き換えると・・・
自分の攻撃を相手に当てるには、いかに早くするか。
逆に、相手の攻撃を受けない様にするには、防御を小さく。ってのが、一般の格闘技だと思う。
が、殺陣は違う。

一番違うのは、見せる相手が「相手」ではなく「」だという事だ。
殺陣を見せるなら、「客」が黙視出来ないと意味がない。
殺陣においては、早い事が殺陣が上手いという事には必ずしもならないのだ。

本当の攻撃ならこのスピードで殴るけど、殺陣はあえて見せる為にスピードを落とす。
が、それで迫力の無い殺陣になったら本末転倒。
だから、スピードが遅くても速い様に見える「演技」が必要になってくるのだ。





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